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RSウイルス母子免疫ワクチンについて

2026年10月01日

Q1 上の子がRSウイルス感染症に罹った際は 軽い風邪ですぐ治りました。 ワクチンで予防する必要はあるのでしょうか?

RSウイルス感染症は乳幼児が感染すると 重症化することがあります

RSウイルスは小児や高齢者に呼吸器症状を 引き起こすウイルスで、2歳までにほぼすべての 乳幼児が少なくとも1度は感染するとされています。

感染すると、発熱、鼻水、咳などの症状が現れ、 初めて感染した乳幼児の約7割は軽症で 数日のうちに軽快しますが、約3割では 咳が悪化し、重症化することがあります。

2010年代には、年間12万人~18万人の 2歳未満の乳幼児がRSウイルス感染症と診断され、 3万人~5万人が入院を要したとされています。

また、RSウイルス感染症には、 一般的に使用できる特異的な抗ウイルス薬はなく、 重症化した場合は酸素投与などの 対症療法が必要になることがあります。

重症のRSウイルス感染症に罹患した乳幼児では、 その後の喘息との関連も報告されています。

ただの風邪と誤解されていますが、 日本国内でも亡くなる赤ちゃんもいるのが実情です。

人口動態統計に基づく2018年~2023年の RSV関連死亡数は、 2018年10人、2019年11人、2020年1人、 2021年6人、2022年8人、 2023年29人でした。

Q2 RSウイルスワクチンを接種した時の 副反応が心配です。 お腹の赤ちゃんに問題はないのでしょうか?

ワクチン接種時の副反応について

RSウイルス妊婦ワクチンの主な副反応は、 接種部位の痛み(約40%)、頭痛、筋肉痛、赤み、 腫れ、発疹、蕁麻疹、倦怠感などで、多くは軽症から中等症で、接種後2日~3日程度で自然に消失するとされています。

稀ですが、アナフィラキシーや 血管迷走神経反射(心因性反応を含む)が 起こることがあるので注意が必要です。

胎児への影響について

これまで国際共同大規模試験において、 一時、早産リスクに対する懸念が示されていましたが、ワクチンが直接的な原因とは 認められていません。

その他、胎児/新生児にとって問題が起こった報告はなく、安全性が高いワクチンであると評価されています。

Q3 RSウイルスワクチンを接種すると 早産になるという噂を聞きましたが、 大丈夫なのでしょうか?

早産については、日本人のデータではワクチン接種によって差がなく、副反応としては否定されています

最初に実施された国際共同大規模試験の結果で、 RSウイルス妊婦ワクチン投与群では早産の発生率が、ワクチンを接種していない群と比較して高率となる結果が得られました。

しかし、その後の検討では、RSウイルス妊婦ワクチンを投与された妊婦と投与されなかった妊婦の早産率に差がなく、また、日本人妊婦での比較データでも、ワクチン接種によって早産の発症率に差は認められませんでした。

過去に早産の既往があっても接種は可能です

RSウイルス妊婦ワクチンの承認当初、早産が増える可能性が危惧されましたが、当時も有意差というほどの差はなく、また、日本人妊婦だけでの比較では早産は増えてなかったことから、早産は、他の因子によるものではないかと考えられており、ワクチンに特有の有害事象ではないとの結論になっています。

ワクチン接種後14日以内に出生した乳児における有効性は確立していないことから、早産のリスクのある方は、接種する時期について医師と相談する必要があります。

Q4 血圧が高いと接種できないと聞きましたが、 本当でしょうか?

妊娠高血圧症候群について

海外の一部の報告では、妊娠高血圧症候群の発症リスクがわずかに増加したという報告がありましたが、他の因子等の影響の可能性があることから、データの解釈には注意が必要であると評価されています。

一方、最近の臨床試験では、妊娠高血圧の発症リスクはRSウイルス妊婦ワクチン接種によって増加していません。

RSウイルス妊婦ワクチンによる乳児の重症RSウィルス感染予防については高い有効性が示されており、総合的に評価すれば、妊娠高血圧症候群発症の危惧によって、RSウイルス妊婦ワクチンの使用が妨げられるべきではないという見解が示されています。

Q5 妊娠何週目で接種するのがよいのでしょうか?

接種時点で、妊娠28週0日~36週6日までの 妊婦の方が定期接種の対象です

過去の妊娠時にRSウイルスワクチン(母子免疫ワクチン)を接種したことのある方も対象になります。

接種後14日以内に生まれてしまった場合の効果は確認できていません。

接種後1か⽉くらいで移行免疫がより高くなるとされています。

参考資料

厚生労働省: RSウイルスワクチンのご案内(PDF)

Simões EAF et al.: Obstet Gynecol 145(2): 157, 2025

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